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  • 執筆者の写真ko-ki

映像の個展 -紙の人びと- を終えて。

「良かったね」


と、聞くことの多い2ヵ月でした。

普段作品を作ったあとの道筋は作品に任せているので、見た人の感想を聞くことはあまりないのですが今回はたくさんの言葉を頂戴することができました。


insideの円環を抜け出した作品は皆さんの琴線に触れる体験を提供できたように思います。

ずっとそのような思いを抱いてものづくりはするべきですが…(やりなさい自分)





改めて個展に至るまでを邂逅しましょう。


煙の立ち始めは同じどい書店メンバーの水本くんの個展「綴飛行」が

天神産紙工場2F 「屋根裏のGallery」で開催されたことです。


(水本君の写真展のエピソードページ)


ふらりと足を運んだときにギャラリー運営者の齋藤宏之さんからお声がけいただき、

私の個展がスタートしました。




今の手札(スキル)で表現できるものは何か、やりたいことは何か、屋根裏のGalleryでやる意味のある企画とは何か。

考えた結果、天神産紙工場・五十崎社中がつくる和紙と和紙をつくる職人を捉えたドキュメンタリー映像作品としました。

それと並行して自分の中で決めたのは以下の4点。

・予算に糸目はつけない(後々凄まじく後悔する)

・人にたくさん協力してもらう(自分の作品に人の才能を掛け算してレベルアップさせたい)

・取材はマジメに、挨拶をきちんとする

・宣伝を各方面に念入りに行う


ものづくりする中で常にお金問題に直面します。

予算がない。予算がとてもない。予算が全然ない。

制約する中でものづくりを強いられざるを得ないことに対して、この作品は脱却してあげたい。ふんだんな(自費)予算で作って良い作品にしたい。

誰しも思うことを今回は実行しました。

結果、お財布がとてもとても軽くなりましたとさ。(国の経済よりも手前の経済の方が大事…悲しい現実)


予算の使い道はほぼ人へのお願い事になりました。

音楽制作、アニメーション制作、パンフレット印刷、文章制作、写真撮影などなど…

これまで私と会った人たちに協力してもらいたい。

才能ある人たちの力を借りて、より良い作品としたい。

作品の円環に加わってもらったおかげで、凄まじくパワーのある作品にできたと思います。



ドキュメンタリー映像作品です。

と、言うことは取材対象の方がいるということです。

私の撮影と関係なく、常に仕事をしている方々です。その方々の失礼、邪魔にならないように取材することはマストでした。

且つ、古くから続く和紙づくりをする職人に敬意を持って接すること。

これは常に心掛けをしていました。

そのおかげか、撮影の最後に行ったインタビューでは皆さん優しく話してくださいました。

大変にありがたいことでした。(野菜もらって帰った日もありました。嬉しい思い出です)


あとは作品を見てもらう手段を考えました。

どれだけ良い作品を作っても人に見てもらわなければ意味がありません。(この考えは違うなって思う人もいると思います)

愛媛というフィールドで自分を知らない人に作品を見てもらうためにはメディアを使うしかない。

ありがたいことにテレビ、ラジオ、新聞、WEBメディアに個展を取り上げてもらい、認知度UPに成功しました。


また、並行して自分のSNSで1か月毎日予告動画を投稿して、自分を知っている人に対しての告知を行いました。





うまくいくことと反比例して始まるまではとても不安になっていました。



それは、「作品を見た人が楽しんでもらえるようにできるか」


見る人の面白いと思うボーダーラインは未知数です。

自分の中でラインを引くしかありません。

高くするのか低くするのか…低くする選択肢は実質ありませんが。笑

とにかくそのラインを超えることが難しい2ヵ月でした。


超えるまで自分を奮い立たせることも。




紙の人びとが完成した6月30日。

夜も更け、静かになった事務所でひとり、

プロジェクターを使って簡易鑑賞会をしました。


作品はとてもエネルギッシュで、思いの伝わる内容になっていました。

2回連続で、少し涙腺の緩む中見ていました。

こんな感覚は初めてで、価値のあるものでした。



そんなこんなであっと言う間に7月3日を迎えました。

前日撮影の仕事で疲労困憊でしたが、たくさんのお客様から「良かったよ」との言葉をいただくことができて一安心しました。


取材させていただいた職人の方もお越しになり、「良かったよ」と仰っていただきました。

照れくさそうにしている職人もいました。笑





一つの動きが生まれます。

内子座での上映会です。

作品が後々大きいスクリーンでお見せできたらいいなとは思ってましたが、こんな早いタイミングで流れが来るとは予想外でした。


記念的な上映会にするためには何をしたらよいのか…

作品の今以上の充実と虚を突く演出。

内容のアップデートと、ピアノ楽曲を制作してくれた亀岡さんによる生演奏をすることでお客様が楽しんでくれるはず…!

早速のお願いと、内子座とのやり取りが始まりました。


内子座側(役場)とのやり取りは困難を極めました。

詳細は申し上げませんが、開催までウンザリすることが多々ありました。

コロナウイルスの蔓延具合もあり、人を集めることの葛藤もありました。

告知を始める時間が短くなる中ようやく許諾が出ました。




当日は45名のお客様に展示とは趣の違う、本来のスペックパワーの上映作品をお見せすることができました。

満足できる上映会にできたと思います。


あの空間で作品を流せたのは心に残る瞬間でした。





行きたい!というお声もたくさんいただきました。

ご時世上どうしても来られない人もいらっしゃったので、今後別の形で作品のお目見えができないものか思案を巡らせています。

何かいい案がある人は申し出お願いします。。。

作品を見たいと思ってくれる人がいるのはとてもありがたいことで、その思いを返す努力はします。





本当に皆さんのご協力のおかげで成り立った個展だったと思います。

ありがとうございました。





最後に追加した映像エッセイ作品「思い出」の解説をします。



私が映像という武器を手にするまでのきっかけをエッセイにしてあります。

怪しげな誘いをする友人と寿司屋さんでの出来事。

それは今後の歩む道が明確になった瞬間でした。


文章は私ではなく、その友人、一色タケシさんに書いてもらいました。

この作品は円環の中に出ず、自分で留まってしまってますが一つは許してほしい。



また皆さんとお会いするのを楽しみにしています。

それじゃまた。

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